ヒルトップにようこそ 34

「バレちゃったか、お見事。さすが超能力探偵ね」
と言った後、
「・・・あの、・・・警察に突き出すの?」
と、佐知子は少し怯えたような目で茉莉を見つめた。
「まさか! そんなことするわけないわ。私がお姉さんに頼まれたのは、指輪探しであって、犯人探しじゃないもの。警察にも、お姉さんにも言うつもりはないわ。それに、今は、佐知子さんも被害者なんだし・・・」
佐知子の大きな瞳から、涙があふれ出してきた。
「でも・・・、一体どうして?」
「わからないの」
佐知子は、両手で顔を隠してかぶりを振った。
「ううん、羨ましかったの。昔から、何をやってもお姉ちゃんにはかなわなかったわ。勉強も、運動も。男の子の人気だって、いつもお姉ちゃんばっかり。今度も、お姉ちゃんは、村上さんなんていうお金持ちを捕まえて玉の輿なのに、あたしは彼氏もいないし、もしこのまま就職も決まらなかったら、田舎に連れ戻されちゃうの。お姉ちゃんが結婚するせいで、あたしが田舎に帰らなきゃいけないのよ。父さんや母さんだって、お姉ちゃんばっかり大事にしてるし。お姉ちゃんなんて大っ嫌い。お姉ちゃんなんていなければいいんだわ!」
思いの外強い佐知子の反応にたじろぎながら、茉莉が、
「そんなにお姉さんが憎いの?」
と聞き返すと、
「憎いわ。お姉ちゃんがいなかったらどんなによかったかって、いっつも思ってた!」
佐知子は、興奮で、自分が何を言っているのかわからなくなっているようだった。茉莉は、佐知子の隣の席に移って、佐知子の肩を揺すりながら、言った。
「落ち着いて、佐知子さん。あなたが、お姉さんを嫌いなわけないわ。だって、部屋にはあんなにいっぱいお姉さんとの写真が飾ってあったじゃない。私の友達だって、姉妹(きょうだい)であんなに仲良く出かけたりしてないわ。写真だってお姉さんとの写真なんてよっぽど仲が良くなくちゃ飾らないわよ」
今度は、茉莉の強い口調に、佐知子が目を丸くした。一瞬茉莉を見つめた後、
「うわぁん」
となきながら、茉莉の胸にすがりついた。茉莉は、
「大丈夫、大丈夫よ。私がついてるわ」
と言いながら、佐知子を抱きしめた。佐知子はしばらく震えながらしゃくり上げていたが、しばらくして多少落ち着きを取り戻したのか、
「ごめんなさい」
と言いながら、茉莉の胸を離れた。涙は止まっていたが、まだ、すこししゃくり上げている。

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